甘口の照り焼きタレをまとった業務スーパーのハンバーグは、ご飯にもパンにも合う万能おかず。ただ、赤ワインを強すぎるフルボディにするとタレの甘辛と喧嘩しがちです。
本記事では「果実味しっかり・渋み控えめ」を軸に、スーパーで買いやすい1000円台の相性ワインを厳選。
ミディアム赤、樽香のきいた白、サッと冷やしておいしい微発泡まで、台所感覚で選べる銘柄だけを載せました。温め方や“ひと足し”でペアリングを底上げするコツも解説します。
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【保存版】実食レビュー|おつまみ・チーズ・惣菜(デリカ)と安ワインの最強ペアリング
チーズや肉料理など、シーン別のペアリングはこちらからチェックできます → 【ワインと料理の相性まとめ】
甘口照り焼き×ワインの基本式

まずは、なぜ照り焼きハンバーグとワインの組み合わせが難しいのか、そしてどうすれば成功するのか、基本のルールを押さえておきましょう。
ハンバーグ全般のペアリング理論はこちら。→ 👉肉料理に合うワインは赤だけじゃない!唐揚げ・ステーキ・ハンバーグとのペアリング術
照り焼きタレの味要素
照り焼きのタレは、砂糖やみりん由来の「甘み」、醤油の「塩味・うまみ」、そして加熱による「カラメル感」が特徴です。口の中では「甘→塩→うまみ→余韻の甘さ」へと味が推移します。
この甘じょっぱい味の構成にワインを合わせるには、ワイン側も「豊かな果実味(甘みと感じる要素)」「中程度かやや低めの酸」「強すぎないタンニン(渋み)」で追従させるのがセオリーです。
避けたいタイプ
逆に、相性が悪いのは以下のタイプです。
- 極端なフルボディ&強タンニン(渋み)の赤: ワインの渋みがタレの甘さを打ち消し、口の中が乾いたように感じてしまいます。
- 超ドライで酸だけが際立つ白: タレの甘みとワインの酸が分離してしまい、お互いの良さを消し合います。
正解ゾーンの定義
照り焼きハンバーグの相棒として、私たちが推奨する「正解ゾーン」は以下の通りです。
- ミディアム〜ライト寄りの赤: 品種で言えば、メルロ、マスカット・ベーリーA(MBA)、モンテプルチアーノ、ガメイなどが該当します。
- 樽感のあるリッチな白: 樽熟成させたシャルドネなど、バニラのような香りがタレの甘みと同調します。
- 冷やしておいしい微発泡(赤): ランブルスコのように、軽い泡と果実味でハンバーグの油分をリセットしてくれるタイプもおすすめです。
やすさん“果実味>渋み”が鍵だね。



うん!甘だれには“優しい赤”ってことね!
実例:買いやすい1000円台ワイン(スーパー中心)
理屈がわかったところで、次は「じゃあ、具体的に何を買えばいいの?」という疑問にお答えします。スーパーや身近な酒店で手に入りやすい銘柄をピックアップしました。
業務スーパーで買えるワインの総まとめ。→ 👉【業務スーパー】ワインランキング!コスパで選ぶ掘出し物TOP5
ミディアム赤の本命
まずは王道、タレの甘みに寄り添う「ミディアムボディの赤」から。渋みが強すぎないメルロ種や、イタリアのモンテプルチアーノ種が狙い目です。
フロンテラ メルロ(チリ)
たっぷりとした果実味と穏やかなタンニンが特徴。照り焼きの甘辛いタレにワインの果実味が素直に同調します。価格も非常に手頃で、家飲みのスタメンとして常備しやすい一本です。
基本情報:フロンテラ メルロ
生産者: コンチャ・イ・トロ
原産国/地域: チリ
品種: メルロ(85%以上。他カベルネ・ソーヴィニヨンなど)
アルコール度数: 12.5%–13.5%
スタイル/甘辛: 赤/ミディアムボディ・辛口
容量: 750ml
輸入元: メルシャン
価格目安: ¥700〜¥900前後
備考: 流通ヴィンテージやロットによりアルコール度数やブレンド比率が異なる場合があります。
モンテス クラシック・シリーズ メルロ(チリ)
フロンテラより少しリッチな価格帯ですが、その分、味わいの丸みとコクがアップします。ソースのコクとワインの滑らかな口当たりがうまく調和します。
基本情報:モンテス クラシック・シリーズ メルロ
生産者: モンテス S.A. (MONTES S.A.)
原産国/地域: チリ/コルチャグア・ヴァレー
品種: メルロ主体
アルコール度数: 13.5%
スタイル/甘辛: 赤/ミディアムボディ・辛口
容量: 750ml
輸入元: エノテカ株式会社
価格目安: ¥1,200〜¥1,721前後
備考: フレンチオーク樽熟成。流通ヴィンテージにより仕様が異なる場合があります。
ファンティーニ モンテプルチアーノ・ダブルッツォ(イタリア)
イタリア・アブルッツォ州の代表的な赤。プラムのような黒系果実の香りと、やさしい渋みが特徴。タレの旨みとワインの果実味がきれいに重なります。
基本情報:ファンティーニ モンテプルチアーノ・ダブルッツォ
生産者: ファルネーゼ・ヴィニ(ファンティーニ)
原産国/地域: イタリア/アブルッツォ
品種: モンテプルチアーノ
アルコール度数: 13.0%
スタイル/甘辛: 赤/ミディアムボディ・辛口
容量: 750ml
輸入元: ワインキュレーション, モトックス など
価格目安: ¥1,200〜¥1,800前後
備考: 国内流通ヴィンテージ2022が主流(2025年時点)。



難しく考えず“甘いタレにはやさしい赤”でOK!



うむ、理屈的にも整合性が取れているね。
和惣菜に寄り添う“和赤”
照り焼きという「和」のテイストには、日本のワインや、軽やかなスタイルの赤ワインもよく合います。
サントネージュ 山梨マスカット・ベーリーA(日本)
日本の代表的な赤ワイン品種、マスカット・ベーリーA(MBA)。イチゴ飴のような甘い香りが、照り焼きの甘みと驚くほど一体化します。渋みは非常に穏やかです。
基本情報:サントネージュ 山梨マスカット・ベーリーA
生産者: サントネージュワイン
原産国/地域: 日本/山梨県
品種: マスカット・ベーリーA
アルコール度数: 12%
スタイル/甘辛: 赤/ライト〜ミディアムボディ・辛口
容量: 750ml
輸入元: – (国内生産)
価格目安: ¥1,350〜¥1,680前後
まるき葡萄酒 MBA(日本)
地域によっては、こちらのMBAも見かけるかもしれません。サントネージュ同様、軽やかで出汁系の味わいとも相性が良いのが特徴です。
基本情報:まるき葡萄酒 マスカット・ベーリーA
生産者: まるき葡萄酒
原産国/地域: 日本/山梨県
品種: マスカット・ベーリーA
アルコール度数: 要再確認
スタイル/甘辛: 赤/ライトボディ・辛口
容量: 750ml
輸入元: – (国内生産)
価格目安: ¥1,500前後 (※要再確認)
同じ「甘辛タレ」の検証はこちら。→ 👉 鶏つくねに合うワインは?タレ・塩別の1000円台ペアリング完全ガイド
白・微発泡でさっぱり路線
「ハンバーグだけど赤は重い…」という日もありますよね。そんな時は、コクのある白や、泡の力でさっぱりと合わせるのもアリです。
コノスル リゼルヴァ・エスペシャル シャルドネ(チリ)
安うまワインの定番コノスル。この「リゼルヴァ・エスペシャル」シリーズは、樽熟成によるバニラのような香ばしい風味が特徴です。この樽感が、照り焼きの甘みや香ばしさとマッチします。
基本情報:コノスル リゼルヴァ・エスペシャル シャルドネ
生産者: ヴィーニャ・コノスル
原産国/地域: チリ
品種: シャルドネ
アルコール度数: 約13.5% (※要再確認)
スタイル/甘辛: 白/辛口
容量: 750ml
輸入元: 要再確認
価格目安: ¥1,100〜¥1,400前後
アルパカ シャルドネ・セミヨン(チリ)
1000円未満で買えることも多い、最強コスパワインの一つ。シャルドネのコクとセミヨンの爽やかさがバランス良く、明快な果実味でタレの味を邪魔しません。
基本情報:アルパカ シャルドネ・セミヨン
生産者: サンタ・ヘレナ
原産国/地域: チリ
品種: シャルドネ, セミヨン
アルコール度数: 12.5%
スタイル/甘辛: 白/辛口
容量: 750ml
輸入元: アサヒビール
価格目安: ¥600〜¥900前後
カビッキオーリ ランブルスコ ロッソ セッコ(イタリア)
イタリアの微発泡赤ワイン、ランブルスコ。「セッコ」は辛口を意味しますが、ほのかな果実の甘みと控えめなタンニン、そしてシュワッとした泡が、ハンバーグの油膜をさっぱりとリセットしてくれます。
基本情報:カビッキオーリ ランブルスコ ロッソ セッコ
生産者: カビッキオーリ
原産国/地域: イタリア/エミリア=ロマーニャ
品種: ランブルスコ
アルコール度数: 11.0%
スタイル/甘辛: 微発泡赤/辛口
容量: 750ml
輸入元: モンテ物産 など
価格目安: ¥1,000〜¥1,350前後
付け合わせ&温め方で“勝ちペアリング”
ワインを選んだら、最後にもうひと工夫。ハンバーグの温め方や付け合わせ次第で、ペアリングの精度はさらに上がります。
温めと油膜対策
- 電子レンジの場合: 温めた後、皿に出た余分な油をキッチンペーパーで軽く拭き取ってから、タレを回しかけると、ワインとの馴染みが良くなります。
- 湯煎の場合: タレと肉汁が分離しにくく、しっとり仕上がります。
ワインの温度も重要です。赤ワインは冷やしすぎず、常温より少し低い「14〜16℃」程度。白ワインは「8〜10℃」、微発泡は「6〜8℃」を目安に冷やしましょう。
ちょい足し3選(付け合わせ)
ワインとの相性をさらに高める「ちょい足し」はこちら。
- ポテトサラダ(肉の横に): まろやかな脂分が、ミディアム赤のタンニンをさらに柔らかくしてくれます。
- 春雨サラダ(副菜に): 軽い酸味が、甘じょっぱいタレとワインの後味をすっきりと整えます。
- チーズトースト(主食に): チーズの旨みと塩気が、特にメルロなどの赤ワインの果実味をグッと前に出してくれます。
逆に、寿司の盛り合わせなどを同時に食卓に出すのは避けた方が無難です。酢飯の酸が、甘いタレと赤ワインの両方と衝突してしまいます。
ちなみに業スーの別惣菜「ポテサラ」編はこちら。→ 👉 【実食レビュー】業務スーパー「ポテトマカロニサラダ」に合う1000円台ワイン3選
口コミから学ぶ“意見が割れる点”
業務スーパーの照り焼きハンバーグは、「タレが甘すぎる」「肉感が少し軽い」といった意見も見られます。
もしそう感じたら、黒胡椒や山椒をひと振りしたり、刻んだ青ネギを散らしたり、半熟卵を乗せてコクを分散させるのがおすすめです。



温度管理は、いわば味の“イコライザー(調整機能)”だね。



難しいことは抜きにして、胡椒ひと振りで味がグッとしまるよ!
まとめ:甘じょっぱさには「果実味」で応える
照り焼きは“日本の甘うまソース界”のエース。強豪フルボディをぶつけるより、器用なミディアム赤(メルロやMBA)でパスを回すのが勝ち筋でした。
コクのある樽シャルドネや、さっぱり切れるランブルスコも良い相棒になります。次は同シリーズの“デミグラス”でも検証予定。冷蔵庫の黒胡椒だけは切らさないようにしたいですね。
ペアリングの基本をもっと押さえたい方は、ぜひ研究所のメインガイドも読んでみてください。
👉 ワインとおつまみのペアリング完全ガイド|家飲みの基礎からチェック!
安ワインとおつまみとのペアリングを知りたい方はこちらをご覧ください


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